せっかく転職をしたものの、後悔をしてしまう方は少なくありません。
そんな転職の失敗原因によくあるのが「求人票の見るべきポイントの見落とし」ですが、事前確認できる情報を見逃し、転職を失敗してしまうのは惜しいことです。
この記事では、転職の失敗回避に役立つ、求人票の見るべきポイントを解説します。
転職時の求人票のみるべきポイントを理解し、後悔しない転職につなげましょう。
転職で後悔してしまう原因は?
識学は、「転職後の幸福度調査」を実施し、その結果を発表しました。
調査の対象は、22歳から59歳の過去3年間に転職をした会社員ということでした。
調査によると、本アンケートの「転職先の企業に入社してから『後悔・失敗した』と思った理由」において、以下の結果が示されました。
・転職後の給与の低さ
・組織の風土が合わなかった
・思い描いていた役職や業務と異なっている
「転職先の企業に入社してから『後悔・失敗した』と思った理由で多かったものは上記3つで、その他の理由には「転職後の『残業』が思ったより多かったから」があるということでした。
上記アンケートの結果をふまえると、転職後の後悔を避けるためには「給与条件」「組織風土」「業務内容」「残業時間」の確認が大切とわかります。
後悔する転職を防ぐ!求人票の見るべきポイント
先のアンケート結果をふまえつつ、転職時において求人票の見るべきポイントをどう押さえるべきでしょうか?
以下、転職の後悔を避ける求人票の見るべきポイントを説明します。
固定残業代は要確認!
給与の低さで公開しないためには固定残業代の取り扱いの把握も大切です。固定残業代とは、残業発生に関わらず支給される、事前に設定された残業代を指します。
「ここの企業の給与、悪くないかも」と感じても基本給の中に固定残業代が含まれているケースがあります。
固定残業代と基本給とが合算額が求人票に記載されている場合には表面上の給与が高く見えやすく、時間単価が想定より低くなりがちです。
固定残業代を除いた基本給は賞与支給時の基準ともなりえます。固定残業代を支給する企業への応募時は上記4点を必ず確認しましょう。
給与は求人票だけでなくEDINET・就職四季報から調査すべし
企業の求人票には、年齢や社歴ごとの給与モデルが記載されている場合があります。
求人票の条件は主に入社時を想定した記載が多い一方、自身や家族の生活水準もふまえた、5年後・10年後の給与条件も要確認です。
5年後・10年後に支給が見込める手当は何か・賞与額・昇給額を求人票の情報から読み解き、具体的な年齢ごとの年額を把握すべきです。
また、求人票とは違うものの、更に詳しく給与を調べたいときは「EDINET」等がおすすめです。
東京証券取引所に上場している企業の給与が調査できるEDINETは、企業の正確な「平均年間給与(円)」「平均年齢(歳)」「平均勤続年数(年)」を調査できます。
調べたい企業の有価証券報告書を探し、「従業員の状況」を調べると上記3点が調査可能です。
また、「就職四季報」もおすすめで、25歳・30歳・35歳時点のモデル賃金の確認が可能です。
上場企業だけでなく中小企業の25歳・30歳・35歳時点の給与相場を調べられます。
さらに、「OpenMoney」も給与調査に便利で、「自分の年齢や役職でどれくらいの給料になるか」といった目安にするにはいい手段です。
参考:EDINET
参考:OpenMoney
組織風土は写真や社内構成から考察すべし
組織風土がどうかは求人票の見るべきポイントですが、判断のヒントになる材料に社内の写真や社員構成などがあげられます。
写真では、以下のような「公私混同」を感じさせる雰囲気を感じ取った際は要注意です。
求人票の写真だけでなく以下も確認すると詳細に企業の雰囲気がつかめます。併せて確認しましょう。
・職場見学が可能か
・企業HP
・SNS
・YouTubeチャンネル
・口コミサイト
また、社内の雰囲気を確かめるためには、社員の年齢構成も考慮すべきです。
企業の年齢や性別比率を確認し、自分の年齢や性別との乖離がないかチェックしましょう。
例えば、女性が主力の会社だと、女性が働きやすい環境や文化が定着している可能性があり働きにくい可能性があります。
反対に、自分と同じ年齢層や性別の方が職場に多いと快適に過ごしやすい可能性は高くなります。
組織風土は福利厚生からも判断しうる
福利厚生の充実度合いにも組織風土を判断するヒントが隠れています。
具体的には、以下のような福利厚生が整備されている職場は従業員を大切にする職場といえます。
福利厚生が充実しているかは従業員の生活や尊重されているかどうかの指標になりえます。
充実している福利厚生の内容は人によって異なりますが、福利厚生の充実度合いを判断するには相場との比較をするべきです。
例えば、厚生労働省のデータによると住宅手当は約1万8000円が相場です。
ほかの福利厚生の充実度合いも考慮する必要はありますが、相場より住宅手当がかなり多い企業は社員への還元意識も高いといえます。
満足して働く従業員が多い結果、組織風土が良好である可能性も高いでしょう。
参考:令和2年就労条件総合調査 結果の概況 2 賃金制度より
仕事内容のミスマッチを防ぐには募集背景等の確認や類似求人との比較が有効
仕事内容は募集背景によって異なります。
同じ事務職でも経理を担当することや、人事を担当することになるなど職種の表現には幅があります。
職務内容のミスマッチを避けるためには、採用背景や求められている人材像を確認をするべきです。
例えば、欠員募集の場合は業務の穴埋めが求められているため、即戦力性が高いといえます。
増員募集の場合は、新事業の立ち上げなどが背景にあると思われるため、増員の背景をリサーチすると募集意図が見えてきます。
また、必須条件や歓迎条件にも「企業が求める人材像」が色濃く反映されており、業務の内容を掴む手掛かりになります。
しかし、募集背景や求める人材像の掘り下げだけでは業務内容をつかみきれないことがあります。
現場の社員とコミュニケーションを取る機会を作り、求められている人材像を確認するのがベストですが、その機会が得られないケースも少なくありません。
そのような場合には、類似企業の求人票と見比べてみるとそれぞれの特徴がわかります。例えば、経理職求人でもそれぞれに違いがあります。
同じ職種でも企業規模や業種によって違いが生まれます。業務がいまいち掴めないときは類似求人を比較し、職種への理解も深めましょう。
残業時間や1日の流れも要確認
求人票に記載の残業時間がどれくらいかは当然確認しておくべきです。
月の平均残業や固定残業代が45時間やそれに近い数字で設定されている企業は、労働時間が長すぎるといえます。労働基準法の違法ラインが残業時間45時間なためです。
また、固定残業代が45時間近く分支給されるとなると、それだけ残業が発生すること想定できます。
理想の残業時間など、自身の希望する働き方を数字で明確にし、客観的に判断するのが大切です。
また、実際の職場の忙しさを知るためには、求人票から読み取れる「一日の業務の流れ」の明確化も欠かせません。
一日の流れは求人票に書いてあることが理想ですが、書いてない場合は類似求人を参考にしたり、口コミサイトやSNSをリサーチすると良いでしょう。
自分なりにイメージを掴んでおき、面接の場を確認の場にしておけば、逆質問のネタとしても活用可能です。
転職エージェント利用で企業の内情を把握可能
転職時の後悔を防ぐ求人票の見るべきポイントを解説しましたが、全てを見抜くのは容易ではありません。
求人票だけで見抜くのは難しい……とお考えの方は、転職エージェント利用し企業の内情や働き方を調べましょう。
転職エージェント側も現場社員とのヒアリングを通じ、求めている人材を把握しているため綿密な調査が可能です。
また、転職エージェントの多くには、以下のメリットもあります。
効率的な転職活動が可能で、カウンセリングから入社後までのあらゆる悩みをフルサポートしてくれます。
求人票の見るべきポイントの理解を深め、転職エージェントも活用し理想のキャリアを実現させましょう。
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